▼目次
・はじめに
シナリオの概要
共鳴者はいつもの生活に疲れを感じていた。
ある日、限界を感じ知らない間に寝てしまう。
次の日の朝、身体にいつも以上の重みを感じ目を覚ます。
喧しい鳴き声を傍目に出かける用意をしながら徐々に覚醒していく共鳴者。
完全に覚醒した時、昔死んでしまった飼い犬があの頃の元気な姿でそこにいることに気づく。
人数:1人
想定時間:1~2時間
シナリオの背景
真神の「犬蠱の術」で呼び出された獅子が顕現したことで神社一帯の町が不安定になりつつあり、それにより共鳴者に危険が及ぶと感じた共鳴者の犬の霊が狛犬と共鳴し、共鳴者を守り街を正常に戻すという使命のもと共に行動することになる。
共鳴者作成について
自由に作成していただいて構わないと思います。
このシナリオを始める前に、PLに飼っていた犬の名前を決めておいてもらいましょう。
登場人物
・共鳴者の犬の霊 妖犬。狛犬の変化。 元は共鳴者の飼っていた飼い犬で昔死んでしまったが守護霊として共鳴者の近くにいた。 近くの神社を守っている狛犬の加護と、犬の霊の「飼い主を守りたい」という思いが共鳴し顕現した。 HP15 イニシアチブ値6 🎲*格闘(かみつき) D数1/判定値5 ダメージ1D3 🎲スピード Lv1 D数1/判定値6 調査系・知覚系技能自動成功 |
・真神 大(まかみ ひろし) 22歳。大学生 元々は気弱な青年。 いじめにあっていて自分ではどうにもできないので、強い存在を従えようと『犬蠱の術』に手を出す。 この時に飼い犬であったレオを殺めています。 獅子と感情共鳴していて気が強くなっている。 HP12 イニシアチブ値3 🎲*格闘(パンチ) D数1/判定値2 ダメージ1 |
・真神の犬の霊 妖犬。獅子の変化。名前はレオ。 元は捨て犬を真神が拾って育てていた。 真神が『犬蠱の術』に成功した際、近くの神社を守っている獅子と共鳴してしまい顕現した。 HP15 イニシアチブ値6 🎲*格闘(かみつき) D数1/判定値5 ダメージ1D3 🎲スピードLv1 D数1/判定値6 |
・シナリオ
導入:懐かしい鳴き声
共鳴者はいつものように日常を過ごし、いつものように帰宅するだろう。 今日はなんだかいつもより疲れた気がする。 ボーっとしていると時間は早く早く進み、まだ21時くらいかと思っていたらもう深夜だった。 もう眠ろう。 なぜだか少しだけ寂しさを感じながらベッドに横たわった瞬間、共鳴者の意識は途切れる。 🎲聞き耳:犬の鳴き声が聞こえた ・・・・・ 朝、目を覚ます。 まるで疲れが取れない。ここ最近ずっとである。 わん 起き上がろうとする。しかしそれは叶わない。 なんだか重い…? 何かが体に乗っている? わん あぁ…もう、起きなきゃいけないんだから。 そこをどいてくれ…。 くぅん やっとの思いで起き上がる。 わんわん!わんわん! 分かった。分かったから。今用意するから。 戸棚を開ける。 いつもあいつのご飯を入れている戸棚を。 しかし、そこは空っぽだった。 あれ、ドッグフードがない?いや、あるはずもない。 だってもう…。 わん そこで共鳴者は覚醒する。 未だに大声で鳴くその声の主の方に目を向ける。 そこには、昔死んでしまった飼い犬によく似た獣が、自分の目の前でちょこんとおすわりをしてご飯を待っていた。 |
導入:再会
犬に名前を付けている場合、シナリオ中の「犬」をその名前に変えて描写してあげましょう。
🎲共鳴判定(強度3/上昇1) ∞共鳴感情:正義(理想)、友情(関係) 少し驚きはしたものの、かつて生活を共にした相棒があの頃のままの元気な姿でそこにいるということにどこか安心している自分がいた。 |
次の展開へのキーが”触れる”なので、触ったり撫でたりするまでRPしてもらう。
長引く場合はそれとなく促す。
あなたが犬に触れた瞬間、強い光が共鳴者と犬を包んだ。 🎲憑依判定(強度10/上昇1) ∞共鳴感情:正義(理想)、友情(関係) 憑依の効果:犬との会話が可能になる。 犬は共鳴者の言うことを聞く。 戦闘において犬の行動は共鳴者が決める。 眩い光も少しずつやわらぎ、もう一度視界に犬が映る。そいつはこう言った。 「うわ~眩しい!」 |
ここで会話を挟むこと。
犬RPはそのセッションの共鳴者に合ったものを。頑張ってください。応援しています。
犬から出せる情報は以下の通り
・散歩に行きたい。
・自分は共鳴者を、これから来る危険から守る為に来た。その危険自体については知らない。
・なぜ意思疎通できるかは知らない。何なら自分もめちゃくちゃびっくりしている。
・散歩に行きたい。
・幽霊なのかどうかとかは分からない。多分そんな感じと曖昧な返しをする。
・おなかすいた。
・共鳴者の普段の疲れが取れていることをKPとして告げた後、犬に「悪いのがついていたので追い払っておきました」みたいな事を言わせる。(狛犬の力で共鳴者に憑いていた悪い霊を除霊した)
・散歩に行きたい。
あなたが犬と会話していると、携帯のアラームが鳴った。 普段起きるべき時間にセットしているアラームが鳴っている。 「散歩!?」 息を切らせ舌を垂らしたなんとも愛らしい相棒は、これから楽しいことがあると信じて疑わないという様子でとてつもなくワクワクしているのを感じる。 |
イベント:散歩
DLさんへ
散歩を楽しんでください。犬になってください。
作者より
散歩ルートは公園・河川敷です。
「ドッグフードを買いたい」などの理由でコンビニやスーパーに寄ってもいいでしょう。
ただしどの場所に行く場合も、
”周りの人間から犬の姿は見えていない。”
”共鳴者が触れたものは犬も触れることができる。それ以外の物や壁はすり抜けられる。”
ということを描写しておいてください。
・公園 いつもの散歩コースの途中にある公園。 年配の男性がベンチに腰掛けていたり、親子連れが何組かいて子供が砂場で遊んでいたりする。 犬は大はしゃぎで駆け回っている。 (犬と話したり遊んだりしていると周りから白い目で見られてしまうかもしれない) 🎲*知覚・観察眼:公園の隅でタバコを吸っている三人の若者を見つける。 この公園は禁煙だ。 しばらく見ているとこちらに気づいたのか睨み付けてくる。 ・河川敷 いつもの散歩コースだ。共鳴者自身も犬が死んでから久々に訪れた。 (ここは広々としていて人もまばらなため犬と話したり遊んだりしていてもバレなさそうだ) 犬は途中までは楽しそうにしていたが高架に近づくにつれ「あまり行きたくないです」と言って、テンションがダダ下がりになり、引き返そうとする。 🎲*交渉ダブル成功以上:河川敷を川上に向かって歩いていく。 犬は足取りが重く、ゆっくりゆっくり、時々立ち止まりながらも共鳴者についてくる。 しばらく歩き高架下に差し掛かったあたりで犬は完全に立ち止まる。 共鳴者も明らかな異変に気が付くだろう。異臭がする。何かが腐ったような。 🎲*知覚・観察眼・毒見:一部土の盛られた部分を発見する。 掘り返す→小動物の死体が埋められているが、その体には頭だけがなかった。 MPを1d3減少させる。 |
公園にいた若者は真神をいじめていたグループです。
河川敷の高架下にある小動物の死体は、真神の飼い犬レオの死体です。
真神が”犬蠱の術”を行ったあと気が動転してそのまま放置してしまったものです。
次の日にお墓を作りに来ます。
河川敷の描写については犬を置いて共鳴者のみで行くという流れになっても大丈夫だと思います。
その場合犬は離れた場所で待機しています。
散歩から家に帰る道中、パトカーや救急車のサイレンの音が聞こえてきた。 おそらく駅の方から… |
探索:一日目・夜
探索パートの注意点
1日の内、日中に2回、夜に1回行動権があります。
睡眠時の回復はルールブック準拠。
外出時の探索場所:公園、駅、神社、河川敷、喫茶店、いつも行く場所(学校や会社など日常的に通っている場所の描写をしてください)、その他共鳴者が所望した場所を生やしてもいいでしょう。
今回の探索から犬は連れていくことも家で留守番させることも単独で行動させることも可能になります。
どうするかPLに確認しましょう。
犬が得た分の情報の共有は合流した時にするということにしましょう。
基本的に犬は何も触れず誰にも気づかれません(真神と獅子は別)。
犬は、調査系技能・知覚系技能を自動成功させます。
・公園 昼は明るく賑わっている公園だが夜は人気は全くない。 ・駅 夜の駅は人通りが少なく静かだ。 そのはずなのだが今日は違った。 駅前の広場に人だかりができており、近くにパトカーと救急車が停まっている。 人ごみを掻き分け騒動の中心に行くと、事態を把握することができた。 若者が怪我をしていた。それも並大抵の怪我じゃない。素人目でもそう分かるほど出血していた。 若者が救急隊に運ばれる中、「~~にやられた…アイツが…!」と叫んでるのが聞こえた。 ・河川敷 街灯がぽつぽつとしかないため本当に真っ暗な場所がままある。 犬のみで着た場合は高架へは行きたがらない。 犬を連れてきている場合は🎲*交渉ダブル成功以上で高架へ行けるようになり、昼間と同じ描写をする。 ・神社 共鳴者宅の近くにある神社。 🎲観察眼:前に見た時より散らかっているというか荒れていような印象を受ける。 ・喫茶店 閉まっている。 |
駅で倒れた男性は真神をいじめていたグループのひとり。
公園でタバコを吸っている若者たちに気づいている場合、🎲洞察・直感などでその中の一人だと気づいてもよい。
イベント:夢①
その夜、共鳴者は夢を見た。 一匹の獣がいる。犬のようだ。 とても黒い…吸い込まれそうなほどに。 うちの犬ではない。 ”黒”が段々と辺り一面を覆う。 身も心も暗黒に飲まれそうになったとき、共鳴者の目は覚める。 🎲共鳴判定(強度4/上昇1) 共鳴感情:破壊(欲望)、恨み(情念)、傷(孤独) 嫌な夢を見て、共鳴者の寝ざめはきっと悪いことだろう。 犬は心配そうに共鳴者を見つめている。 |
犬に夢に出た獣のことを聞いてもよく分からないと言います。
探索:二日目・日中
・公園 一日目の通りで、特に変わりはない。 ・駅 パトカーが一台止まっており、警察が何人かいるのが見受けられる。 警察に話を聞くと昨夜に傷害事件があり、その聞き込みをしていると教えてくれる。 ・河川敷 (犬は一日目に比べると行きたくなさを見せてはいない) 高架下へ差し掛かると人の気配に気が付く。 顔は見えないがその人物は土をいじっているように見える。 しばらくするとこちらに気が付いたのか何処かへ走り去って行ってしまった。 人がいたあたりに近づいてみてみると、土が盛られておりその側に木の板が刺さっていた。 まるで簡易的にあしらわれたお墓のようだった。 ・神社 関係者が見当たらない。 どころか参拝客もいないようだ。 🎲観察眼:とても荒れている。神主は清掃などはしないのだろうか。 🎲★霊感:息が詰まる。何か悪いものが溜まっている気がする。 ・喫茶店 犬が生きていた時によく来ていた喫茶店。 テラス席があり、そこなら犬同伴で来店することもできる。 |
駅の警官からは最低限の情報しか聞き出せないでしょう。
真神が直接手を下したわけではなく獅子を使って怪我させたので警察も真神のことをまだ知りません。
河川敷の人影は真神です。
神社は狛犬と獅子の不在に加え神主の不在により悪霊など悪いものが溜まってしまい荒れてきています。
探索:二日目・夜
・公園 昼間のような賑やかさはなく、とても静かだ。 しかしよく見渡してみると二人分の人影がある。何か話しているようだ。 「~~が怪我させられたってマジか?」 「あぁ、昨日に駅前でやられたらしい…」 「なぁそれ…もしかしてアイツが…?」などと聞こえてくる。 しばらく様子を見るか近づこうとすると、別の人影が二人に近づいていくのに気が付く。 それは一瞬だった。二人が一人に突っかかっていこうとしたまでは見えた。 次の瞬間には二人のうちの一人が地面に倒れこんでいる。 もう一人は酷く怯えその場から逃げ出そうとしているところだった。 ここにいてはいけない。本能的に逃げる体制をとりその場から走り出す。 🎲★霊感・直感:ふと後ろを振り返ったとき、人間が一人、そしてその傍らにいつの間にか獣が一匹いて、どちらもこちらをじっと見つめているようだった。 ・駅 人はまばらで、もうすぐ終電が来る時間だ。 警察官がひとり見回りをしている。 ・河川敷 人は一人もいない。 高架下に行くと墓がある。 ・神社 夜なので当然だが人はいない。何か嫌な感じがする。 🎲★霊感:嫌なものが溜まってきている感じがする。ここに長く居るのは危険だと悟る。 ・喫茶店 閉まっている。 |
共鳴者が公園に行かなかった場合、探索終了時に公園の横を通る道で帰ったことにして公園の描写をしてもいいかもしれません。
一応共鳴者と犬と分けて行動できる旨を再度伝えておくといいかもしれません。
イベント:夢②
再び、共鳴者は夢を見た。 昨夜見た夢と同じ黒い犬がそこに座っていた。 今度はこちらを見て、ただじっとしている。 (二日目夜の探索で公園に行き人影と獣を見ている場合、その獣とこの犬が同じであると確信するだろう) 黒い犬としばらく目を合わせていると、すくっと立ち上がり歩き始める。 共鳴者は無意識か、はたまた自ら進んでか黒い犬についていく。 暗い空間を犬の先導だけを頼りに進んでいくとほどなくして犬は立ち止まり一度こちらを振り返りまた前を向きなおした。 犬の視線の先に目をやると、人がいた。地面に座り込みうずくまっている。 |
共鳴者が話しかける・触れるなどの動作を行ったら次の描写をしてください。
うずくまっていた人はゆっくりと顔をあげ、こちらを向いた。 若い男のようだ。その顔に表情はない。いつの間にか黒い犬もこちらを向き、共鳴者を見つめている。 黒い犬が話し出す。 「私は獅子、この男に仕えている。この男は真神 大。もっともここにいるのは本人ではなく意識や思念の類だがな。お前にも式神がついているようだな。それによりお前と私、そして真神は図らずも引かれ合っているようだ…ホラ、そいつだろう?」 いつの間にか自分の横に共鳴者の犬がいた。温厚な性格からは想像もつかないほど敵意をむき出しにしている。 「案ずるな、ここはお前の夢の中だ。そして私たちもただの思念。傷つけることはできんよ」 「しかし」と続ける。 「真神は…お前のことを、自分のやるべきことを妨害する邪魔者だと思っている。奴は昔のように優しくない…迷いもない。やると決めたらやるだろう。私はそれに従い仕えるだけだ」 獅子は真神の傍に歩み寄った。それに合わせ真神は立ち上がり、共鳴者に背を向けて歩き出した。 「狛犬よ……良き主だな」 そう獅子が言い残したのを最後に、目の前が暗転する。 次に共鳴者の視界に光が戻ったのは、夢から覚め、朝を迎えたころだった。 犬が共鳴者をじっと見つめる。何かを決意したような目で。 |
犬と夢の内容を話そうとすると、「自分のやるべきことがはっきりとわかりました」と教えてくれる。しかしこれ以外は答えてくれません。
探索:三日目・日中
三日目の探索個所も変わらずですが、犬と別行動できるのは日中だけです。
・公園 いつも通りの公園だ。 昨日ここで襲われた若者は自分の力で帰ったようで、騒ぎにはなっていない。 🎲観察眼:よくよく地面を見ると血痕が残っているのを発見できる。 ・駅 いつも通りの駅だ。 もう警察はうろついていない。代わりに「○月×日ここで起きた傷害事件について何か知っている方は110番まで」という立て看板が立っていた。 ・河川敷 いつも通りの河川敷だ。 お墓のあった辺りまで行くと、お墓に犬用のおやつが供えられていた。 ・神社 ここでは、獅子のみが登場する。 獅子は犬と見つめ合っているだけだが、その様子は会話しているようにも見える。しばらく見つめ合った後、獅子はこの場を去る。 犬はとても落ち着いた表情だ。 ・喫茶店 🎲*知覚・聞き耳・観察眼:店内のカウンターの奥に若者が座っている。 その若者はとても落ち着きがない。怯えていると言ってもいいだろう。 店外の様子を窺い、ブツブツと何か言っている。 近づいて話を聞く場合は🎲心理に成功し、落ち着かせたうえで話を聞くことができる。 自分を含めた3人グループで真神をいじめていたこと。 大学に来た際にいじめをしていたが最近真神が大学に来なくなったこと。 昨日公園にいた時に真神らしき人物に襲われたこと。 そして、次は自分の番なのではないかと怯えていたことを教えてくれる。 この若者は既にこれでもかと言うくらい反省している。 |
喫茶店でのイベントは必須イベントではありません。
共鳴者が知らないところで怯え勝手に帰るだけです。
犬と別行動をとっていた場合はこの後に合流してください。
イベント:三日目・夜 邂逅
家に帰る道中(喫茶店の若者を送って帰る道中などでもいい)、犬が立ち止まり後ろを振り返った。それに気づき共鳴者も振り返るだろう。その先には真神と獅子がいた。 真神が何か呟いたかと思うと途端に獅子がこちらに向かって凄い速度で突進してきた。 「危ない!」 犬がそう叫び共鳴者の前に立つ。 迫り来る獅子に向かって、犬の鳴き声とは違う雄々しい獣のような雄叫びをあげるとその一帯に衝撃が走る。 獅子は一瞬怯み、真神の方に駆け寄る。そして獅子の体が段々と大きくなる。 大型犬以上の大きさになった獅子の背中に真神が乗り、凄い速さで逃げて行ってしまった。 「待て!!!」 犬がそう叫ぶと、犬の体も大きくなる。 「追いかけましょう!乗ってください!」 共鳴者が犬の背中に乗り込むと、こちらも物凄いスピードで走り始めた。 |
狛犬と獅子は元々対の存在であるためそれらと感情を共鳴している共鳴者と真神も引かれあってしまう。
そのせいで真神は共鳴者を自分を邪魔する存在と認識してしまい共鳴者を排除しようと考える。この時点で真神は正常な判断力を失っている。
戦闘イベント:式神
真神と獅子を追いかけて河川敷までやってきた共鳴者と犬。 そこで真神と獅子は立ち止まる。 獅子から降り、共鳴者に向かって大声で叫ぶ真神。 「邪魔をするな!アイツ等に復讐するんだ!!!」 (ここで共鳴者に説得のRPを挟んでもらうと雰囲気が出ると思います) 「これ以上僕の邪魔をするんだったら、お前もアイツ等と同じだ!」 その叫びに応えるように、獅子は共鳴者と犬に迫ってくる。 「狛犬、私は主の為に牙を剥く。お前も主のことを思うなら、かかってこい」 狛犬は共鳴者を守るように前に立ち、全身の毛を逆立て獅子を迎え撃つ。 「下がっていてください…!」 |
戦闘「式神バトル」が始まります。
式神バトルのルール
・戦闘には獅子、狛犬が参加します。共鳴者は狛犬に指示を出して戦闘させてください。狛犬の技能・判定値は登場人物を参照。
・獅子が倒されると真神が戦闘に参加します。狛犬が倒されると共鳴者が戦闘に参加できます。
・終了条件は真神に攻撃を当てるか、共鳴者が攻撃を当てられたら戦闘終了です。
・イニシアチブ値は戦闘(陸上)で設定してください。
・獅子は、狛犬を攻撃します。狛犬が倒されると共鳴者を攻撃します。
・狛犬は🎲スピードで回避行動をとることができます。ターンは消費しません。
・狛犬は、獅子か真神を攻撃できますが、真神を攻撃しようとした時は獅子がそれを庇います。庇う判定は🎲スピードで行います。ターンは消費しません。
真神に攻撃が当たった場合、エンディングAへ
共鳴者に攻撃が当たった場合、エンディングBへ
エンディングA:二度目の別れ
攻撃を受けた真神はその場にへたり込んだ。 それを見た獅子は急いで真神の元へ駆け寄り、身を寄せた。 真神は、泣いていた。それは復讐を果たすことができなかった悔し涙なのか、それとも…。真意は分からない。 ただ真神は、獅子を抱きしめ、泣いていた。 「もう気は済んだかい?もう私がいなくても平気かい?」 獅子は真神に尋ねる。 真神は少しの間をおいて、小さく頷いた。 すると獅子から光が発せられた。その光は真神を、次第に辺り一面を包み込み、光が弱まるころには獅子の姿はもうなかった。 真神は、「ごめんよレオ…本当に、ごめんよ」と謝り続け、ゆっくりとその場から去っていった。 「行きましょうか」 犬が言った。 共鳴者は犬と一緒にゆっくりと帰路につく。 道半ばまで歩いたころ、犬が立ち止まり、ぽつぽつと話し始めた。 「僕がここに来た理由、ちゃんと話していませんでしたね。あなたに訪れる危機というのが今日のことで、僕はあなたを守る為に来たんです」 狛犬はこれ以上ないほどに落ち着いている。 「でももう、時間みたいです。僕たちは使命を果たしました」 そういった犬の体から光が発せられていた。あの獅子と同じように。 とても暖かな光だ。 「また、あなたと一緒の時間を過ごせてとてもうれしかったです。どうか僕がいなくてもお元気で」 共鳴者の周りが、視界が、光で満たされる。 光が和らぎ、共鳴者は一人、夜風の肌寒さに寂しさを感じながら帰宅した。 |
後日談
共鳴者は近くの神社を訪れていた。 最近よくお参りに来ている。 いつもはまるで人のいない境内だが、今日は先客がいた。恰好から察するにここの神主のようだ。 その人物はこちらに気づき、独り言のように話し始めた。 「おや…もしかして君…あぁ、やっぱりそうか」 何か納得した様子で、狛犬の像に撫でるように触れた。 「この子が世話になった。いや、世話をしたのかな?ふふっ、まぁいい。ここも少し見ないうちに散らかっちゃったからね。お勤め頼むよ」 共鳴者に話しているのか、狛犬の像に向けて話しているのかわからない口調だ。 話し終えた神主は境内の奥へと消えていった。 なんだかよくわからないが、取り敢えずいつも通りお参りを済ませ帰ろうとした時 わん どこからか犬の鳴き声が聞こえた気がした。 |
エンディングB:復讐の続き
攻撃を受けてしまった共鳴者。 その衝撃で、地面に倒れこんでしまう。 犬がボロボロの体で共鳴者に駆け寄る。 目の前で真神と獅子が一歩ずつこちらに歩み寄ってきていた。 「僕の邪魔をするからこうなるんだよ。これは仕方ないことなんだ。お前だってあいつらと同じなんだろ。だってあいつらが、あいつらが…」 真神はまるで落ち着きがないが、ただこちらに確かな敵意を向けている。 それは獅子も同じだった。 真神が手で合図をすると、獅子がこちらに突進してきた。 「…ごめんよ」 「…ごめんなさい」 獅子、そして狛犬の声が聞こえた気がした。 しかし、何か考える間もなく意識が途切れてしまった。 共鳴者が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上だった。 看護師さんから事情を聴くと、昨夜河川敷で倒れているのを発見され、ここに運ばれたらしい。 体中に擦り傷が見られるものの大事には至ってないようで、明日には退院できるそうだ。 ベッドで体を休めていると、警官が何人か病室に入ってきた。 昨夜のこと、そして駅前で起きた事件を連続傷害事件として捜査しているようで、事情聴取にきたようだ。 正直あまりよく覚えていないので曖昧な説明になってしまい、警察も「また改めて伺います」と言い残し帰って行った。 その日の午後、病院のテレビを見ていた共鳴者にあるニュースが飛び込んでくる。 共鳴者が住む町の道端で、人が血を流して倒れていたというニュースだ。リポーターは、駅、河川敷に次いで三件目の連続傷害事件だと報道していた。 共鳴者はふと気が付く。 犬の姿が見えない。 |
・あとがき
いい加減な事を言う人生です。
初めて「自分以外の人が読む用」にシナリオを書きました。
最初はクトゥルフ神話TRPGとして書いていたんですが、エモクロアTRPGが出た時に、「これしかねぇ」と思って全部書き直しました。
どうしてもホラーにしたくなくて、犬とキャッキャ楽しく遊ぶシナリオにしました。キャッキャ遊んでくれたら幸いです。
イラスト素材をBOOTHにて販売いたします。
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イラスト:ふじわらうい https://twitter.com/uic030p
SpecialThanks:ill.bell
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